労働基準法違反に対する指導

労働基準法違反に対する指導

労働基準監督署が、事業所調査や臨検を行った結果、労働法令違反には該当しない場合でも、改善した方が望ましいと思われる場合や、今後の労働法令違反につながる可能性が有ると確認した場合、使用者に指導を行うと共に、「指導票」が交付されます。また、明確な違反の事実が確認された場合は、労働基準監督官が「是正勧告書」を交付します。

 

指導票と是正勧告書の違い

指導票は、使用者に対して改善を「促す」ための書類であり、使用者は必ずしも従う必要はなく、改善しない場合に処罰されることはありません。言わば、行政による「こうした方がいいですよ」という注意に過ぎません。

 

しかし、是正勧告書は、法令違反があった場合に交付されますので、指定された期日までに、違反項目を是正して労働基準監督署へ是正状況報告しなければなりません。是正勧告書を出されたからといって直ちに罰則となる訳ではありませんが、指導票とは全く性質の異なる書類です。

 

是正勧告自体は法的な強制力のない「行政指導」であるのですが、勧告書を無視して、繰り返し是正しない場合や、虚偽の申告を行うなど悪質であると判断された場合は、検察に書類送検され、刑事罰の対象となる可能性があります。

 

指導票の段階で改善をしましょう

前述した通り、指導票は直ちに是正を行わなければ何らかの処分を受ける書類ではありません。だからといって、安易に是正を行わないでいることは、労働基準法の遵法意識の低下を招いてしまうでしょう。

 

指導票で済んだ事で良しとするのではなく、指導が是正勧告に、是正勧告が刑事罰にまで発展しないように使用者は注意し、労働者も使用者に対して指導を守るように促しましょう。

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