労働基準法違反とされる解雇の仕方

労働基準法違反とされる解雇の仕方

労働者にとって、勤務先に突然解雇される事は収入源が断たれる事を意味します。労働者を保護する為に法律では解雇に関する制限を定めています。

 

労働基準法第十五条において、使用者は労働条件を明示する事が義務づけられていますが、その中には解雇事由も含まれます。解雇事由もなく解雇をする事は、そもそも労働基準法に違反している状態であるので、無効とされます。

 

労働契約によって直ちに解雇できるか

それでは、労働契約書や就業規則によって明示された解雇事由に抵触した場合、労働者を直ちに解雇しても良いのかというと、必ずしもそうではありません。

 

労働契約法第十六条の規定では「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定めています。

 

解雇事由が「ノルマを達成できなかった場合」「体調を崩し一週間以上欠勤した場合」等、正当とは言い難い理由について定められて解雇が無効となります。使用者が、労働者の弱い立場を利用して解雇権を乱用するのは許されていないのです。

 

逆に言うと、使用者が労働者の雇用(特に正社員)に慎重になるのは、解雇のしにくさに基づくものなのですが……

 

解雇の予告期間について

また、正当に解雇を行う場合でも、予告が必要になります。解雇の予告は30日前までに行われる必要があります。また、予告を行わずに解雇する場合は、最低30日分の平均賃金を支払う必要があります。

 

解雇予告の通知は口頭でも可能ですが、解雇を不当として労働者があっせんや訴訟等の行動を起こした場合、正当な解雇が行われた証拠が残りませんので、解雇日と具体的理由を明記した解雇通知書が作成される事が労使共に望ましいでしょう。

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