労働基準法違反への刑事告訴と刑事罰
労働基準法違反は刑事罰の対象となり、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金、もしくは30万円以下の罰金となります。
罰則時効は多岐に渡りますので主な物だけを抜粋すると、法定労働時間の違反(第三十二条)法定休憩の違反(第三十四条)、法定休日の違反、(第三十五条)、割増賃金未払いの違反(第三十七条)、法定の年次有給休暇の未付与違反(第三十九条)が挙げられます。
しかし、そうした罰則によって使用者が逮捕されたというニュースはあまり聞きません。 労働基準監督署は、逮捕権や捜査権を持っているのですが、上記に挙げた罰則について、直ちに違反者を逮捕し、告訴することは滅多にないようです。
どういうケースで告訴されるのか
労働基準法に違反する形で働かされた結果、ついには過労死してしまう……そういった悪質なケースであってさえ、使用者に対して刑事告訴がなされる事は滅多にありません。
労働災害事件として、民事訴訟により慰謝料による賠償が行われる事にはなりますが、使用者に刑事罰を適用することは現在の日本ではほぼありません。
これは、日本という国が労働者の権利について無関心であるという現実を表しており、日本の労働時間が先進国中でも飛び抜けて長くなってしまうのは、刑事罰の適用が甘い事に起因していると言えるでしょう。
せめて民事事件に
刑事告訴がされない以上、労働基準法の違反で被害を被った労働者は、民事告訴等の手段で対抗するしかありません。幸い、民事告訴においては労働者側が理不尽に敗訴する事は、よほど証拠が不備であるか、虚偽の主張をしない限りは滅多にないようです。
自己責任という言葉が日本を現在も支配している現状では、自らの身を守る為には自分自身で行動をしなければなりません。
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