労働基準法を違反している企業の公表
近年になって、政府はブラック企業への対策を進めており、平成二十七年四月に全国展開の靴量販店チェーンが書類送検された事を公表された事は記憶に新しい事と思われます。
これまでは、書類送検を受けて初めて労働基準法違反をした企業名が公表されていましたが、同年五月十五日、厚生労働省がいわゆる「ブラック企業」のうち、違法残業が複数の事業所で行われている大企業について、書類送検される前でも企業名を公表すると発表しました。
公表となる対象は、複数の都道府県に事業所をもつ社会的に影響力の大きい企業で、1カ月当たりの残業時間が100時間超、1事業所で10人以上、等の条件を満たした場合、是正勧告を出すとともに企業名を公表するという事です。
イメージ悪化につながる企業公表
現在のところ、上記の規定に基づいた、企業の公表はまだされていませんが、もし、公表を受けて自分の会社がブラック企業であると世間に知らされれば、その企業イメージは大きな打撃を受けてしまいます。
この公表を受けた訳ではありませんが、某居酒屋チェーンの業績悪化の一因は、度重なるブラック企業との報道であるとされています。
情報時代に公表を受けるリスク
中小企業であれば書類送検の段階で初めて公表を受ける事になるわけですが、多数の日本人がスマートフォン等を使って簡単にネット上の情報に触れられる昨今、一度でも公表を受けてしまうと、ブラック企業であるとのイメージを覆すことは難しくなります。
おそらく、今後ますます政府のブラック企業対策は進むと思われますが、労働基準法の遵守を怠るリスクが、使用者が違反をして得ているであろう利益を超えれば超えるほど、労働基準法に違反する企業の割合は減っていくのではないでしょうか。
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