労働基準法を違反している企業の割合

労働基準法を違反している企業の割合

厚生労働省が発表した監督業務実施状況の報告書において、平成二十四年度に違反事業場として挙げた件数は、定期監督と申告監督と併せて110,061件としています。総務省統計局による同年の企業数が約410万企業なので、全企業に対する割合としては2.6%程度という数字になります。

 

この数字だけを考えると意外と少ないように感じてしまいそうですが、これは、実際に監督を実施した企業数が、再監督を除いて159,713件にすぎないからであり、監督を実施した企業の違反率は約69%にも達します。仮に、すべての企業に対して監督業務が行われた場合、違反企業については数が大幅に増えてしまう事になるでしょう。

 

労働基準監督署による「臨検」について

労働基準監督官による事業所への立ち入り検査を臨検と言い、定期監督・申告監督・再監督の種類があります。定期監督とは、労働局と労働基準監督署の年度計画に基づいて実施される検査で、建設業や運送業、製造業等の労働基準法違反の割合が高い業種が主な対象となります。

 

申告監督は、労働者の申告に基づいて行なわれる検査です。平成二十四年度における申告の受理件数は31,352件で、そのうち申告監督が実施されたのは25,418件違反事業所数は18,265件で違反率は71,9%です。

 

告発するにはまず相談を

上記のデータからも分かるように、申告による通報が行われた事業場の多くの割合の企業が労働基準法に違反していますが、労働者からの告発がなければ膨大な数の企業すべてをカバーして監督を実施するのは難しいのが現状です。

 

しかし、定期監督による是正を座して待つのではなく、労働基準監督署へ自ら告発を行う事により、多くの企業が監督を実施され、違反を指摘されているのです。

 

もし労働者が最終的に企業に対して労働訴訟による告訴を行う場合において、違反事業所である事実は有利に働くことにもなります。まずは、事業所の管轄内の労働基準監督署に相談をしましょう。

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