労働基準法違反の告発

労働基準法違反の告発

労働基準法を初めとする労働関連法に違反したとして、違反企業がニュースで取り上げられるには、主に二通りの道筋があります。

 

一つは、従業員が勤務中に死亡する事です。過剰な超過勤務を強いられ、精神を病み自殺をしてしまう、あるいは労災で事故死してしまう……逆に言うと、死という最終的かつ悲惨な結果に行き着かない限り、労働基準法違反についてはごくニュースにもならない程度にごく当たり前に行われている事による結果でしょう。

 

もう一つは、企業内部の労働者による報道機関への内部告発です。

 

内部告発とは

内部告発とは、企業内部の人間が、所属する組織の不正を外部へ知らせる行為の事を言います。

 

内部告発には、労働基準法を初めとするあらゆる法令違反に大して行われ、通報手段としては管轄下の行政機関や報道機関への書面による通知等で行われます。

 

内部告発は、告発者の勤務先の不正を知らしめることから、勤務先への裏切行為と、告発された側からは見なされがちですが、日本が法治国家である以上、企業への忠誠よりも法令遵守が優先されるべきと考えられています。

 

従って、告発者の権利は、公益通報者保護法において、その告発者である労働者を解雇したり不利益な取扱いをしたりしないことが義務づけられています。

 

内部告発の必要性について

内部告発は、外部者への良いイメージが必要である、一定以上の規模の企業にとって重大な悪影響を及ぼします。正当な手続きで行われた場合は通報者へ責任追及も行う事も難しく、仮に法的手段に問うことができたとしても、通報者個人へ金銭的補償を求めることはまず不可能でしょう。

 

いわゆる「大企業」は基本的に持たざるものである「労働者」にとって、持てるものと定義しても良いでしょう。しかし、「持てるもの」になるためには、それまで労働者への労働基準法に違反する状況での勤務を強いる部分が少なからずあったはずです。

 

国際化の進む昨今、競争力を失わないためにはある程度労働者へ無理を強いらなければならない部分もあるかもしれません。内部告発は、その無理が「持たざるもの」から「持てるもの」への一方的な搾取へとならない為への抑止力であると言えるでしょう。

スポンサーリンク